hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

ジョン・フランクリン・バーディン「死を呼ぶペルシュロン」

死を呼ぶペルシュロン (晶文社ミステリ)

死を呼ぶペルシュロン (晶文社ミステリ)

 この小説の最たる特徴は「展開の先の読めなさ」だと感じました。次に物語がどのような動きを見せていくのかさっぱりわからない。それがどんどん読まずにはいられないスリリングさ、二転三転する展開のどれを信じるべきなのかという不安感を強く表現することに成功していると思いました。
 読み終わってはじめて気づくことですが、このタイトルは作者がミステリでは無く心理的なものに重きを置いているという宣言なのでしょうね。
 デビュー作とは思えない、作者の企みが見事に結実している小説でした。「悪魔に食われろ青尾蝿」も読んでみたいです。