ポール・オースター「幽霊たち」

幽霊たち (新潮文庫)

　やたら薄くて文章も読みやすいのですぐ読める。そんなさらっとした本だけど、読後深い印象を残す良書です。実は三部作の一作目である「シティ・オブ・グラス」より先にこっちを読んでも良いと思います。翻訳の癖の問題かな。
　パターンとしては「シティ・オブ・グラス」と同じでミステリっぽい始まりだけど何も起こらず、主人公の心理が淡々とかかれています。
　そんなのどう考えても地味すぎて面白くなりそうにありませんが、こういう話を面白く読ませてしまうのがオースターです。

　amazonにはこの本の画像も無いのか…。