今野緒雪「マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ」

マリア様がみてる 21 薔薇のミルフィーユ (コバルト文庫)

　特に本筋に進展は無く３姉妹のそれぞれの日常的なエピソードが書かれています。これから先、姉妹問題に踏み込む前に既存の姉妹関係を見直しておくという意味もあるのでしょう。箸休め的な作品ですので気楽にキャラ同士の掛け合いを楽しむのが良いのではないでしょうか。各短編ごとの感想を。
「黄薔薇パニック」奈々さんは江利子さまに似てるキャラかも。見合い相手の正体はちょっと意外性に欠けるかな。過去の内容と同じすぎる気がします。由乃さんの髪をほどいた挿絵はレア。
「白薔薇の物思い」乃梨子と聖さま初対面が見所。ラストの志摩子さんはとても可愛らしい。個人的には３作品中ベスト。日常が一番似合っている姉妹だからか読んでいてほんわかできました。
「紅薔薇のため息」遊園地話。久しぶりに柏木さんにスポットが当てられています。せっかくなんだからもっと祐麒にも見せ場が欲しかった。そろそろ深く掘り下げられてもいいキャラな気がします。