歌野晶午「女王様と私」

女王様と私

　ぬぬぬ、なかなか微妙であります。読み終わって思ったことはshakaさんの感想に近かったです。いや、確かに問題作って言えば問題作だし、面白かったといえば面白かったんですが……。
　うーむ、眉に唾を付けすぎたのかもしれません。（中盤のおそらく最も大きなサプライズも予想できる範囲だった）余分な情報を入れないで刊行直後に読んでればもっと楽しめたのかなあ。
　でも、猜疑心にごちごちに固まった人も驚かせるのが本当に「意外な」ミステリってものじゃないでしょうか。その点「葉桜」は文句のつけようが無かっただけに。むしろ「葉桜」を書いてしまっていたことが損になっているというべきかも。
　
⊂二二二（　＾ω＾）二⊃ ブーンみたいな喋り方はややウケました。どうでもいいけど。　
　
　更にどうでもいい話だけど、「人形とお話をすること」は倫理的に問題があることのように一瞬思ってしまった自分が少し恥ずかしい。他人に迷惑をかけなければ良いというぼくの基本方針を忘れてしまうところだった。考えてみればぬいぐるみや植物に話しかけるのと同じで全く罪は無い。（ファービー人形なんてやつもありましたねえ）
　あ、でも外でやって他人に恐怖感を与えるのは迷惑になる、というのは勿論です。
（追記）
　少しマイナス方面の事ばかり書いてしまった気がするので良かったところも。リーダビリティの圧倒的高さと、他の人と作品について話したくなるということ。
　特に後者のことを考えると、やはり賛否両論ありつつも強い印象を残す小説だったと思います。