古川日出男「ルート350」
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/18
- メディア: 単行本
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……少々興奮してしまいましたが、いやはやこれは本当に素晴らしかったです。全体の文章が独特の味を持ちながらも癖は少なめなので、古川日出男入門にも適しているかもしれません。
それぞれの短編は根底に流れるものは似通っているかもしれないけれども、様々なスタイルで書かれているのでバリエーションも豊かです。「メロウ」なんて佐藤友哉みたいだったりするんですよ!
あと「一九九一年、埋め立て地がお台場になる前」はランズデールの「モンスター・ドライブイン」だと思いました。
どれも面白いけど、ベストは「お前のことは忘れていないよバッハ」かな。タイトルセンスからして光りすぎています。
あとがきもすごく格好良い。惚れる。「初出一覧」が載っているべき場所に書いてある一文にも惚れました。もうぼくはデレデレです。