hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

三崎亜記「バスジャック」

バスジャック

バスジャック

 あ、面白い。ちょっとびっくり(失礼)。
 
 なかなかバラエティーに富んだ短編が揃っていて、第一短編集とは思えないほどの芸域の広さを感じました。トマス・M.ディッシュっぽいホラー?作品「二階扉をつけてください」、設定としては筒井康隆ベトナム観光公社」ですよね、な表題作「バスジャック」、SF的設定だけどワンダーはない、密かに直球ないい話である「動物園」などなど、ぼくの書き方だと褒めているようには見えませんがどれも面白かったですよ。
 その中でもお気に入りはプラトニック*1なラブストーリーである「二人の記憶」です。人間なんて分かりあえなくてもオーライですよね。それがラブ。すいませんてきとうなこと言ってます。
 
 意識的なのか無意識なのかさっぱり判断が付かないのですが、この人の小説はなんで萌えキャラっぽい人が多いのでしょうか。先述した「二人の記憶」のヒロインも語尾に「っ」や「ぉ」を多用する萌えキャラですし。その中でも「送りの夏」の主人公のしっかり者女子小学生はかなり強力です。(一応反転)膝枕!膝枕!(ここまで)いや、素晴らしかったです。

*1:こんな単語を使う日が来るとは思わなかった