hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

高橋源一郎「ニッポンの小説 百年の孤独」

ニッポンの小説―百年の孤独

ニッポンの小説―百年の孤独

 高橋源一郎による小説論。普通なら難解になってしまうものを、ぐいぐい読ませる工夫はさすがです。ぼくの脳では理解が及ばないところもちょくちょくありましたが、それでも楽しく最後まで読むことができました。
 しかし、高橋源一郎の小説論は、ある意味で小説と区別が付かない気がします。小説論というかたちで小説を書いているのではないかなあ、とも少し思ったりします。
 
 この本では、様々な小説・評論・詩から引用がなされています。中原昌也や「うわさのベーコン」も興味深かったですが、その中でも特に武者小路実篤の「ますます賢く」があまりにもやばくてぶっ飛びそうになりました。(もう89歳だったこともあるでしょうが)どこまでが天然で、どこまでが狙いなのかさっぱり分かりません。ぜひ目を通してみてください。多分ぶっ飛びます。
 う、「うわさのベーコン」はamazonのユーズドで15000円からですか。たった7年前の本なのに……。まあ、再版してもまず売れないだろうから仕方ないかもですが。図書館にあったので今度借りてみようかなあ。