古川日出男「ゴッドスター」

ゴッドスター

　あーうー。面白いけど、よくわからなくなってきたなあ……。なんだか一時期の舞城王太郎を思い出すなあ。いや、今でも好きですけど。新刊でないけど。
　リズム感を重視しているのはわかるし、物語性よりも関係性みたいなものを直接ぶつけたいというのもわかります。でも、なんでこの作品で「狂気」を扱わなくてはいけなかったのかなあ、というのは少し疑問です。それがメインテーマとも思えないし……。なんというか、試行錯誤しているような印象を受けました。
　ただ、実際にはそれほど心配はしていなくて、そもそも古川日出男という作家は常に変化し続けるタイプだと思っているし、変化の中でまたものすごいことを書いてくれる人、だと思っています。まだまだ、これから先もずっと読み続けたい人です。