hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

7月の読書メーター。

 7月に読んだ本は12冊でした。せめて15冊は読みたいものですが、難しいものです……。
2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3631ページ
ナイス数:110ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/19865/matome?invite_id=19865

■なめらかで熱くて甘苦しくて
タイトル的にねっとりとした恋愛小説集かと思ったらそうでもなかったです。想像したよりずっとへんてこな、川上弘美ワールドばりばりな感じでした。心なしか、後半にいくほどへんてこになっていくような。/とはいえ、やはり恋愛的な要素もわりとありますし、近年の川上弘美作品によく見られる死への観念も語られます。でも、やっぱりへんてこ。/お気に入りは死んだ恋人の納骨に付きそう話である「terra」、赤ん坊にたいする複雑な(本当に、複雑な)感情を語った「aer」あたり。
読了日:7月30日 著者:川上 弘美
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30764451

とらドラ・スピンオフ2! 虎、肥ゆる秋 (電撃文庫)
スピンオフの2作目。竜児や大河メインの話ももちろん悪くはないのですが、やはりスピンオフという性質上サブキャラに焦点を当ててくれたもののほうが読んでいて嬉しかったです。というわけで、お気に入りは春田くんの青い恋を描いた「春になったら群馬に行こう!」。
読了日:7月30日 著者:竹宮 ゆゆこ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30764431

陰陽師(おんみょうじ) (文春文庫)
長編かと思ったら連作短編なのですね。/「「ゆこう」「ゆこう」そういうことになった」のフレーズで有名な小説ですが、たしかに多用されているし印象に残りますね。この会話のみならず、晴明と博雅の会話はテンポが良くてさくさくと楽しむことができました。地の文も夢枕獏らしいリズミカルなもので、時代小説なのにこの読みやすさはすごいなあ、と思いました。/収録作ではとんち話みたいな「梔子の女」が好みでした。
読了日:7月25日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30607015

■新装版 妖しいクレヨン箱 (講談社文庫)
(たぶん)はじめての阿刀田高。なるほど、全体的にウェットな筆致で、いわゆる「ストンと落ちている」作品もあるけれども、基本的には奇妙な味わいといった感じのものが多いかな。
読了日:7月25日 著者:阿刀田 高
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30606972

■SHI‐NO―天使と悪魔 (富士見ミステリー文庫)
あとがきによれば「ミステリ度数はゼロ」だそうで、たしかにフーダニットはタイトルからして見え見えですし、ホワイダニットも自然に考えればそうなるかな、というものな気がしますが、伏線の書き方なんかはわりとミステリだったようにも思えます。/真白ちゃんはかわいいなあ。銀髪眼鏡は良いですね。/次の巻はデッドエンドコンプレックス絡みの話になるのかしら。
読了日:7月18日 著者:上月 雨音
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30439456

■国を蹴った男
はじめての伊東潤。戦国の世の武将たちを描いた短編集。時代小説はそれほど読んでいるわけではないので比較はできませんが、なかなか面白かったです。それほど斬新な歴史観があるわけではありませんが、どの作品も好感の持てるものでした。/お気に入りは今川氏真の生き方を鞠師の視点で捉えた表題作、算術が得意な長束正家のとある失敗を描いた「戦は算術に候」の2編。
読了日:7月18日 著者:伊東 潤
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30439426

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
遅ればせながら読了。長編としてそれほど短いというわけではありませんが、受ける印象としては長い中編といった感(けなしているわけではありません)。色々と思うところはありますが、みんなで議論するよりもひとりでじっくりと考えたいタイプの小説かなあ。あえて不完全に書いていると思しき部分がいくつかあって(某キャラクターのこととか)それはちょっと他の方の意見も聞きたいな、と思いましたが。
読了日:7月15日 著者:村上 春樹
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30348419

■移動動物園 (小学館文庫)
表題作と併録されている2編でけっこう毛色が変わっていて少し驚きました。5年ほどのブランクがあった所為かしら……。表題作は佐藤泰志らしいごつごつとした肌触りがありますが、「空の青み」なんかはかなりさらっとして洗練されているように思えました。「水晶の腕」のわりと多めの登場人物の捌き方も熟練している感じ。どの作品にも共通しているのは生きるのはきれいなことばかりではない、ということでしょうか。
読了日:7月10日 著者:佐藤 泰志
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30242203

■楽園のカンヴァス
はじめての原田マハ。はじめて読む作家さんに対して言うのもおかしいですが、作者が今までに書きたくても書いていなかったことをついに書きえた本なのかな、と思いました。非常に熱量を感じる作品でした。ミステリ的にも楽しめる一冊だと思うので、そちら方面の方々にも是非。
読了日:7月10日 著者:原田 マハ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30242116

■聖なる怠け者の冒険
色々あって森見登美彦久しぶりの新刊。正義の味方・ぽんぽこ仮面と充実した土曜日と或る怠け者をめぐる物語。相変わらず賑やかで楽しい小説でありました。物語作りとしては『有頂天家族』に近いものがあるかな。最後のほうで少しジーンとこさせるあたりも小憎いところです。天狗ブランは飲んでみたいですね。
読了日:7月10日 著者:森見 登美彦
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30242067

さよなら妖精 (創元推理文庫)
再読ー。おそらく2004年に読んだはずなので、9年ぶりの再読となりました。内容はすっかり忘れていたのですがこれはたいへん良かったです。第一章のほのぼのとした感じも得がたいものですし、米澤穂信得意の「苦味」もこの作品ではより生々しい「痛み」として描かれているあたりも素晴らしかったです。これは再読して良かったなあ、としみじみと思いました。
読了日:7月3日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30073443

■マーカス・チャウンの太陽系図
なかなかに本のサイズがビッグなだけに、写真も大きめなものがたくさん掲 載されていて臨場感十分です。素敵な図鑑だったと思います。/しかし、いままで知らなかったのですがオールトの雲のスケール感は半端じゃなくすご ですね。太陽系がちっぽけに思えるマクロ感。/アメリカの本だから当たり かもですが、マンハッタンやテキサス州を大きさの比較に使われてもピンと こないですね。日本でいえば渋谷区や北海道を比較に使うようなものなので しょうが。
読了日:7月1日 著者:マーカス・チャウン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30021078


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