hirayama46の日記

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小林泰三「人獣細工」

人獣細工 (角川ホラー文庫)

人獣細工 (角川ホラー文庫)

 日本を代表する邪悪作家の一人である小林泰三の短編集。
 ブタの臓器を大量に移植された少女のアイデンティティをめぐる物語「人獣細工」、少年の視点でも邪悪さを忘れない「吸血狩り」、そして最後を飾るのは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を歪めてねじって極彩色のペンキをぶちまけたような傑作「本」。この短編は小林泰三の中でも個人的にベスト級です。
 
 3編とも「どっちなんだ?」と読者を悩ます短編集。もちろん必ず一つの解答が導けるような親切な問題を作る人ではありません。