e-NOVELS（編）「黄昏ホテル」

黄昏ホテル

「黄昏ホテル」を舞台にした競作短編集。各人の個性が出ていて平均値は高いと感じました。
　その中から特に印象に残ったものを。
　早見裕司「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」この人の小説を読むのは初めてでしたが、とても上手い好短編でした。浅暮三文「インヴィテイション」人称を自在に操る匠の技。森奈津子「カンヅメ」珍しいことにエロくない。田中哲弥「タイヤキ」ワケわからん。野崎六助「鏡の中へ」ハードボイルド。カッコいい。加納朋子「セイムタイム・ネクストイヤー」こういう良い話は大好きです。山田正紀「トワイライト・ジャズ・バンド」まさかこの人がギャグ担当だとは……。牧野修「悪い客」実はこの短編集で一番萌える話、且つ厭な話。田中啓文「ふたつのホテル」どこに書いても変わらない人だ。
　
　どうでもいいことですが銃が関わる話が妙に多い気がしました。ホテルと銃に何の関係が？ただ単にミステリ畑の人が多かったからかな。
　
　「異形コレクション　グランドホテル」と読み比べてみたいかも。