hirayama46の日記

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西澤保彦「解体諸因」

解体諸因 (講談社文庫)

解体諸因 (講談社文庫)

 西澤保彦のデビュー作にしてタックシリーズの初代となる作品。このころから現在の作風である「謎と論理」に主眼が置かれていて、作者の変わらない姿勢を垣間見ることが出来ます。優れた読みやすさも当時から発揮しています。タックのキャラは今と少々違う気がしますが、それは仕方ないでしょう。
 
「第一因 解体迅速」はちょっと面白みに欠けるかな。「第二因 解体信条」、これもわりと普通。双子は可愛いけど。「第三因 解体昇降」うーん、謎自体は魅力的だけど解決は肩すかし。「第四因 解体譲渡」これは素晴らしい。白眉の出来栄えです。お見事。「第五因 解体守護」タカチが出てくる唯一の短編。萌える。ほのぼのとした内容も良い。「第六因 解体出途」厭話。「第七因 解体肖像」記憶に残りませんでした。「第八因 解体照応 推理劇『スライド殺人事件』」大馬鹿で面白い。意外性も十分。「最終因 解体順路」ごちゃごちゃしすぎかなあ。やや牽強付会かも。