橋本紡「猫泥棒と木曜日のキッチン」
- 作者: 橋本紡
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
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それから時は流れて遂に橋本紡初体験です。こんな日が来るとは正直想像も付きませんでした。というわけで感想。
微妙。悪くはない、悪くはないのですが、そんなに絶賛するほどでもないような気がしてなりません。
附に落ちない点は母親の扱い。何も言わずに突然5歳の子供を置いて家を出てしまう人間に対してぼくはどうしても寛容になれないのです。その子は母親がいなくなったショックでタオルを咬み続けるくらいに不安定になっていたのに。もしかしたら本当に取り返しが付かないことになったかもしれないというのに。その母親を許すべきなのだろうか。
前向きな気持ちによる光が溢れる視点は悪くありません。しかし、その光に眼を眩ませない事も大切なのではないでしょうか。常に現実を見つめ続ける事を。