hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

橋本紡「猫泥棒と木曜日のキッチン」

猫泥棒と木曜日のキッチン

猫泥棒と木曜日のキッチン

 橋本紡といえば猫目狩りです。「ブギーポップは笑わない」が大賞を受賞した第4回電撃ゲーム3大賞で金賞を受賞しました。当時ブギーポップを読んで感動したぼくはこの作品にも興味を持ち、紹介文を読んで見ました。CK(チンピラ・キッズ)として気ままに生きる主人公の少年「リョウ」は……」これは無いな、と若かりしぼくは思いました。CK……。
 
 それから時は流れて遂に橋本紡初体験です。こんな日が来るとは正直想像も付きませんでした。というわけで感想。
 
 微妙。悪くはない、悪くはないのですが、そんなに絶賛するほどでもないような気がしてなりません。
 附に落ちない点は母親の扱い。何も言わずに突然5歳の子供を置いて家を出てしまう人間に対してぼくはどうしても寛容になれないのです。その子は母親がいなくなったショックでタオルを咬み続けるくらいに不安定になっていたのに。もしかしたら本当に取り返しが付かないことになったかもしれないというのに。その母親を許すべきなのだろうか。
 前向きな気持ちによる光が溢れる視点は悪くありません。しかし、その光に眼を眩ませない事も大切なのではないでしょうか。常に現実を見つめ続ける事を。