hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

リディア・デイヴィス「ほとんど記憶がない女」

ほとんど記憶のない女

ほとんど記憶のない女

レモネードBOOKS」に登場する本を全部読もう!題して『「レモネードBOOKS」読み」を始めてみました。今回はその第一段となります。しかし「浮世風呂」なんて本当に読めるのでしょうか。まあいいや、後のことは後で考えましょう。ちなみにこの本はカバー折り返しの著者近影の自画像で読んでいる本。
 
 やたらと短い話が沢山入った短編集。1,2ページのいわゆる「超短編」っぽいものが多数収録されているので、その辺が好きな人は楽しめるのではないでしょうか。逆に小説技法や表現、思考にこだわった作品が多いのでストーリー性を求める方には不向きといえそう。まあ最初の2つか3つばかし読んでみれば合うかどうかはすぐに分かると思います。
 気に入った、というか印象に残った作品は不可思議な迫力がある「フーコーとエンピツ」、この短編集最長のページ数の「ロイストン卿の旅」はそっけない旅行記という感じの短編。珍しく物語があります。堕ちていく人間を描いた「ノックリー氏」、最も馬鹿馬鹿しい話である奇想短編「オートバイ忍耐レース」あたり。
 
 こんなにも30ページ弱の短編が長く感じた本は初めてかもしれません。他の短編が短すぎる所為です。
レモネードbooks 1 (バンブー・コミックス)

レモネードbooks 1 (バンブー・コミックス)