キャシー・アッカー「血みどろ臓物ハイスクール」

血みどろ臓物ハイスクール

「レモネードBOOKS」読みの三冊目。またもやとんでもないものを読んでしまいました。作中では「沁みるのよねー」と書いてありますが、そんなレベルじゃない気がします。相当な劇薬、というか爆弾に近いかもしれません。取り扱い注意。
　
　卑俗表現＋性器のイラストばりばりな「ハイスクールの中で」から飛ばしていますが、その先の「ハイスクールの外で」においてはまともな文章がどこかへいってしまい、ほとんどが過激な詩に近い形になってきます。そして最後の「夜の果ての旅」で遂に整合性のある物語まで破綻してしまい、カーター大統領が出てきたりと大変なことになってきます。最後の最後には……。もうどうしようもないです。
「レモネードBOOKS」読みをしなければ多分手に取ることはなかった本だと思います。この出会いに感謝を。
　
　そういえば翻訳の渡辺佐智江という人はアーヴィン・ウェルシュ「フィルス」の人だったのか……通りで「ハメチン」とか言ってる訳だ。おおいに納得しました。