阿部和重「無情の世界」

無情の世界 (新潮文庫)

　↑と共通項があるような、ないような。狂気に満ちた行動を滑稽に描写する、みたいな感じでしょうか。……自信ないです。
　しかしまあ、こちらもなかなかの爆笑小説。特にやばかったのはまだ見ぬ露出狂に会いに深夜の公園に繰り出す表題作「無情の世界」でしょうか。最初の公園の場面からすごいです。なんというか、毒電波をゆんゆんと受信しているみたいです
　ダメ人間を超越した人間の屑がおりなす騒動を描いた「鏖」、ストーキングこそが純愛と考える「先生」が素敵極まりない「トライアングル」も非常に面白かったです。どの作品も「終わってる」感がたまりません。