hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

ジェイムズ・カルロス・ブレイク「無頼の掟」

無頼の掟 (文春文庫)

無頼の掟 (文春文庫)

 素晴らしいー。とにかくキャラが立っていて、登場人物がみんなやたらと格好良いのが素敵です。個人的には主人公ソニーの叔父であるバックとラッセルの兄弟が特にお気に入り。冷静に考えれば、二人とも犯罪にどっぷりと浸かって出られない、それどころか出ようともしないろくでなしで、強盗の最中にやむをえなくなったときくらいとはいえ、自分の勝手で人を殺すような最低のクズ人間です。
 でも、読んでいるとそんな二人に好感を抱かずにはいられないのです。本当にどうしようもない奴だとわかっていても嫌いになれない。なかなかそんな人間の描き方はできないと思います。
 素晴らしい悪党小説でした。