歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)

　極めてへんてこなタイトルで作者が歌野晶午ということで期待して読んだのですが、それほど好みの小説ではありませんでした。残念。
　突飛な設定ながらもつくりはなかなかに精密な小説で、連作短編のミステリクイズとして良く出来てはいるのですが、インパクトに欠けていたのが残念。ミステリにおいては「中の人」が誰でもサプライズはそうそうないですよね。いや、それが主眼になっている訳では無いので全く問題はないのですが。
　
　しかし、これほどまでに誰が殺されてもどうでもいい小説も珍しいな……。「コズミック」級です。
　　
（以下ネタバレ）途中までは5人のうち4人が家族の人間で、残る1人が終章における「彼女」なのかと思ったら大分違いましたね。30点。（ここまで）