hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

ドストエフスキー「地下室の手記」

地下室の手記(光文社古典新訳文庫)

地下室の手記(光文社古典新訳文庫)

 22歳にして初のドストエフスキー。さすがに半端じゃない! とおののきました。この徹底したダメ人間の書き方は本当に半端じゃなかったです。現代の「ひきこもり」系統の作品群の土台になっているような作品でした。
 読んでいて恐ろしかったのは、あまりにもダメな人間を書いておきながらも強く共感させられる部分もあったことです。読んでいて対岸の火事を決め込むこともできずに、心を痛めたり爆笑したりしました。ひえー。
 売春宿で初めて会った少女に突然「幸福な家庭の素晴らしさ」を長々と演説し始めるシーンの痛々しさといったら……。
 
 第1部はかなり難解でしたが、それを乗り越えた第2部は読みやすくなるので、是非序盤を我慢して読んでみて下さい。