福澤徹三「夏の改札口」

夏の改札口

　初めての福澤徹三。
　作品ごとに直接のつながりはありませんが、どの作品も「自殺」をモチーフに扱っています。それでもワンパターンさを感じさせない広がりがありました。実力のある作家さんなのだろうなあ。
　単純に「いい話」と「いやな話」の二つでくくれないようになっているのが興味深かったです。この状況ではどうにもならないだろう……と思わせておいてほのかな救いがあったりします。かと思えばやっぱり暗いまま終わったりもします。まったく、ひねくれてるなあ。そういうの、けっこう好きです。