hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

7月の読書メーター

今月は28冊とぼくしてはたくさん読みました。まあ、分厚い本を避けていた所為もあるでしょうが……。
7月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:7574ページ
ナイス数:109ナイス

とらドラ! 4 (電撃文庫 た 20-6)とらドラ! 4 (電撃文庫 た 20-6)
いい加減「とらドラ!」を最後まで読もう、とふと思ったので、再読。まる4年ぶりだったので細かい部分はかなり胡乱になっておりました。亜美ちゃんがこんなにストレートに竜児に想いをぶつけていたのでちょっとびっくり。しかしまあ、やっぱり竹宮ゆゆこはキャラ立たせるの上手いなあ、とまた思いました。
読了日:07月31日 著者:竹宮 ゆゆこ
奇譚草子 (文春文庫)奇譚草子 (文春文庫)
《語り》の文学である怪談と夢枕獏の相性は非常に良くて、楽しく読むことができました。後半のフィクションっぽさが強いものよりも実話怪談の要素が強い表題作のほうがより好みでした。夢枕獏本人が出てきて言い訳したりするあたりもかわいらしくて良かったです。
読了日:07月30日 著者:夢枕 獏
いつか、君へ Girls (集英社文庫)いつか、君へ Girls (集英社文庫)
「てっぺん信号」はいかにも三浦しおんな恋愛小説、逆に言えばらしさは出ていたということではあるのですが。「きよしこの夜」なかなか面白かったのですが、島本理生の恋愛小説を読むと考えなくていいことを考えてしまって嫌になります(自分が)。「カウンター・テコンダー」テコンドー小説は珍しいけれど、それ以上のものは感じられなかったなあ。「宗像くんと万年筆事件」中田永一っぽさの薄めのミステリ。でも痛切ない。「薄荷」やっぱり橋本紡は合わない……。「ねむり姫の星」今野緒雪にしては珍しいSF。気合が入っている気がします。
読了日:07月30日 著者:
こなもん屋馬子こなもん屋馬子
すっかり「グロと駄洒落」から「義理と人情」の作家としてもだいぶメジャーになってきた感のある田中啓文。この本も義理と人情とまではいきませんが、どれもきっちりいい話でまとまっていて、卒がないなあ……と思いました。駄洒落は控えめだけどきっちりあるのでこれもまた、安心であります。
読了日:07月28日 著者:田中 啓文
ミステリアスセッティングミステリアスセッティング
主人公のシオリさんがひたすら妹に罵倒されたり、悪い人に騙されたりと受難を受け続けるお話で、救いはもたらせられるような、そうでもないような。阿部和重らしいような、そうでもないような。初出がケータイ小説だからなのかなあ。
読了日:07月27日 著者:阿部 和重
エムブリヲ奇譚 (幽ブックス)エムブリヲ奇譚 (幽ブックス)
道に迷う達人である和泉蝋庵先生と博打好きのダメ人間である耳彦くんの出会う怪異を描く連作短編集。奇譚というよりも残酷譚に近いような生死の境をさまようような話も多いのですが、あまり怖いという感じでなく、やはり奇譚なのであるなあ、と再確認しました。/ページを開いてすぐの金箔押しで著者名・作品名が書かれていたり造本には気合が入っている印象。ブックデザインは名久井直子。/でも、この3つに分かれている細いスピン(しおりのことです)は使いにくいと思いました。
読了日:07月26日 著者:山白 朝子
君がいない夜のごはん君がいない夜のごはん
作中の若者の言葉で「格好悪いの格好良くて、格好良くする方が格好悪いんですよ」とありますが、穂村弘もわりとすんなりそれに当てはまる気がします。こう、スマートな残念さ、知的なダメさというか。
読了日:07月25日 著者:穂村 弘
凡宰伝凡宰伝
「凡人」と呼ばれた小渕恵三のベールを剥ぐ1冊。やはりなかなかの奸物出会ったことは間違いなさそう。単に人のいいだけのおっさんに総理ができるはずがありませんからね。作中の言葉では「小渕という男を解くキーワードは、粘着質、自己愛、確信犯である」とのこと。なるほど。
読了日:07月24日 著者:佐野 眞一
村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)
なるほど……。基本的にはわりとまったりと異国の風景と生活が綴られていますが、さすが梨木香歩、読者に衝撃を与えることにためらいがありませんなあ。時代背景を考えると自然なことなのですが、自然なことを自然に描写してしまうのはやはりすごいな、と思いました。
読了日:07月23日 著者:梨木 香歩
高原のフーダニット高原のフーダニット
最初の「オノコロ島ラプソディ」はあとがきにもあるようにあまりドタバタではない感じ。某マンガを読んだ人にはサプライズが薄めかもしれません。「ミステリ夢十夜」はこれもあとがきにあったようにミステリじゃない話(マラソンの話とか)もありましたが、夢ならではの非現実感と現実にフィットしたミステリとの相性はなかなか良く、楽しく読めました。表題作は得意のふたごもの。中編を支えるにはロジックが弱い気もしたけれど、そうでもないかな。
読了日:07月22日 著者:有栖川 有栖
プラスティック・ソウルプラスティック・ソウル
2006年刊行ながら、なぜか文庫化されていない1冊。ドラッグ、退廃、陰謀論、人称の崩壊とわりといつもの阿部和重の雰囲気といった感じです。面白いけど、わりと普通だったかなあ。福永信による「『プラスティック・ソウル』リサイクル」は外伝かと思ったら評論だった。なるほどなあ、と思えるところも多々あれど大きな価値観の変遷には至らず。福永信もなんだか持て余しているように感じてしまいました。
読了日:07月20日 著者:阿部 和重
予知夢 (文春文庫)予知夢 (文春文庫)
ガリレオシリーズ2冊目。短篇集です。なんとなく今作は不思議な事件たちというよりも不自然な事件たちといった方が近い気がしました。あまり突拍子もないようなこともなく、短編ミステリとしては極めて安定、といった感じでしょうか。
読了日:07月19日 著者:東野 圭吾
バン・マリーへの手紙バン・マリーへの手紙
タイトルのバン・マリーというのは日本語で湯煎という意味だそうで、日常的なようでそうでもなさそうな言葉をメインテーマに持ってくるあたりさすが鋭さを感じさせます。内容は「湯煎的」とあるように直線的でない、ゆるやかな文章でした。初出誌が同じなので文字数も大体同じくらいで、長すぎも短すぎもしないアルデンテな文章が並んでいました。1日数編ずつくらいのペースで読んでみるのもいいかも(ぼくは一気に読んでしまいましたが)。
読了日:07月18日 著者:堀江 敏幸
あの日、君と Boys (あの日、君と)あの日、君と Boys (あの日、君と)
やっぱり2、30ページでノンシリーズ(たぶん)だと物足りなさが残る作品も多かったかな。佐川光晴奥田英朗は長編を読んだことがないので、気になりました。/気に入ったのは相変わらずスマートな伊坂幸太郎、電波・お花畑のギリギリのラインをすりぬけて(褒めてます)意外と上手い中村航、相変わらず高校野球という題材でも器用に描く柳広司あたりかな。/とりあえずGirlsの方も読んでみようかな。
読了日:07月17日 著者:
100のモノが語る世界の歴史1: 文明の誕生 (筑摩選書)100のモノが語る世界の歴史1: 文明の誕生 (筑摩選書)
世界史の知識がほとんどないぼくでも読めました。ただ、いろんな文明に話が行き交いするので、一気に読むのは少々くたびれました。ちょびちょび読むのが良さそう。/しかし、序盤の手斧なんかは説明文を見ないと写真だけだとすごさがさっぱりわからない……。なんとなくそういうかたちに見えなくもないという感じでした。/これをラジオでやるとはBBCもよくわからないところでありますな。
読了日:07月16日 著者:ニール マクレガー
涼宮ハルヒの驚愕(後) (角川スニーカー文庫 168-11)涼宮ハルヒの驚愕(後) (角川スニーカー文庫 168-11)
αとβの分裂の処理など、予想通りの部分と(古泉くんが意外と活躍するところとか)予想外の部分のバランスが絶妙で、さすがその辺は上手いなあ、と思いました。/ラスト付近の国木田くんの鶴屋さんにたいする憧れのようなものを語る場面が好きです。凡人が才人に憧れてしまうことの切なさみたいなものがあって、素敵なことだと思いました。ぼくはこうはなれそうにないですね。/佐々木さんは未来人や宇宙人たちの道具である前にキョンの親友だったのだなあ、としみじみ。
読了日:07月15日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの驚愕(前) (角川スニーカー文庫 168-10)涼宮ハルヒの驚愕(前) (角川スニーカー文庫 168-10)
全3冊の2冊目ともなると重さも出てくるというもので、わりと閉塞感の強い展開もあいまって、(ライトノベルとしては)ヘヴィーな印象が強いですね。/今巻は鶴屋さんの出番はなし。残念無念。でも妹はかわいい。挿絵の横顔が心なしか大人っぽくなっていたような……。/この高校がブルマだったって描写は今までにありましたっけ? 時代背景はいつごろなんだろうか。既刊のPC研の描写が参考になるかも。/しかし、このシリーズを読んでいるとたまに自分が度し難い愚か者なんじゃないかとおもうこともしばしば。まあ、そうなんですけどね。
読了日:07月15日 著者:谷川 流
涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)
タイトルどおり分裂する物語。さあこれからどうなるのか、で5年待たせたのか……。なんというか、すごいけれどそういうこともありますよね。/橘京子とか喜緑さんの役割がいまいち明確に思い出せない……。/しかし、ぼくとしては鶴屋さんの出番があったからすべて良しなのです。鶴屋さん愛してます。ラブい。
読了日:07月13日 著者:谷川 流
天岩屋戸の研究 (講談社ノベルス)天岩屋戸の研究 (講談社ノベルス)
最終巻ー。わりと意外なまでにまとまったハッピーエンドでありました。満足。……しかし、この巻で印象に残るのはラストではなく、やはり「雷獣洞の研究」のエピローグ以外にありますまい。あまりにも脱力。素晴らしいです。すばらです。多少強引な気がしますが、それを吹き飛ばしてあまりあるインパクトです。
読了日:07月12日 著者:田中 啓文
さがしもの (新潮文庫)さがしもの (新潮文庫)
本をテーマにした短篇集。タイトルとしては単行本の時の「この本が、世界に存在することに」の方が好みですが、まあ好き嫌いですね。/今までに読んだ(まだ4冊目ですが)角田光代の中では断然痛くないので読みやすいですね。それなりにビターな部分もありますが、基本的には爽やか。/あとがきで「自分よりも五百倍、千倍本を読んでいる人がいて〜」と書いているけど、年間100冊以上読んでいたらそんなには読めないのでは。年間5万冊、10万冊ってインデックスちゃんじゃないのだから……。誇張しているだけだろうけど。
読了日:07月11日 著者:角田 光代
大人になりきれない大人になりきれない
正直言って苦手な部類の小説でしたが、どうにか読了。面白い……と素直に言うにはちょっと痛々しすぎる小説でした。/しかし、幼児性を残した大人の存在を「現代病」のように描いているのにはちょっと違和感。昔からそういう人はいなかったのかなあ。ぼくはあまり「昔の大人」の実像を知らないのでなんとも言えませんが。
読了日:07月10日 著者:平山 瑞穂
言語小説集言語小説集
言葉にこだわった短篇集。その中でも特に言葉遊びの要素が強いものが好みでした。「括弧の恋」「言い損い」「言語障害」あたりが楽しく読めました。比較的シリアスな短編では「極刑」が良かったです。
読了日:07月08日 著者:井上 ひさし
初恋ソムリエ (角川文庫)初恋ソムリエ (角川文庫)
1作目を読んだ時も思ったのですが、どうも初野晴とは相性が悪いみたいで、文章が右から左と流れてしまいます。流れるように読めるのはいいことですが、頭に滞在しないのが困りものでした。ただ1作目に比べて「すべってる感」が減少しているように思え、突っかかりなく読めたのは良かったです。
読了日:07月07日 著者:初野 晴
イスラム飲酒紀行イスラム飲酒紀行
はじめての高野秀行。少々アル中気味の作者が基本的に禁酒であるイスラム教圏で酒を探しまわって右往左往する紀行文。日本にいてもあまり酒を飲まないぼくはあまりこの熱意がわからないけど、酒好きという存在の業を感じました。あと、酒を飲んでいないときでもカート(噛んでいるといい気持ちになる葉っぱらしい)を始終噛んでいるのはなかなかにすごい。
読了日:07月06日 著者:高野 秀行
クドリャフカの順番 (角川文庫)クドリャフカの順番 (角川文庫)
7年ぶりの再読ー。最初に読んだときは文化祭特有の《楽しさ》に気を取られて愉快愉快、と読んでいたのですが、こうして読み返すとこのシリーズらしくかなりビターな部分が強いのにも目が行きました。メインの謎もそうですが、一人称のちょっとした場所にも苦味があるものだなあ、と思いました。もちろん、基本的には楽しい文化祭であることに変わりはないのですが。/しかし、この小説の奉太郎は驚くほど何もしてないな……。文化祭なのに。文化祭だからなのかもしれませんが。
読了日:07月06日 著者:米澤 穂信
悪童日記 (ハヤカワepi文庫)悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
「悪童」という言葉からイメージされるいじめっこ的な生意気な子どもたちとは違って、もっと原罪としての悪を感じました。その罪を重ねる要因はもちろん戦争にあるわけですが……。/軽く読める(内容は重いですが)短めの小説ながらも色々と思索を促される内容になっております。続きもあるようなので、早めに読もう。
読了日:07月04日 著者:アゴタ クリストフ
家守綺譚 (新潮文庫)家守綺譚 (新潮文庫)
四季折々の植物や、怪異なんかも楽しんだりする非常に風流な本だと思いました。ぼくは季節を感じないような日々を生きる(気温くらいかな)野暮な人間ですが、たまにはこういう本にいいものだな、と思いました。登場人物がみんな優しい(怖いところもあるけれど)のも良いですね。
読了日:07月02日 著者:梨木 香歩
雪の練習生雪の練習生
最初の短編は白熊が自伝を書いて、オットセイ編集の元に届けるという「しろくまカフェ」状態だったのですが、2編め、3編めと進んでいくごとにサーカス、動物園と普通になってしまうのが少し残念でした。人間と普通に会話してたりするけど、それは別に変じゃないですよね。/文章はやっぱり上手いのですが、ちょっと淡々としていた物語に入り込めなかったかな、という印象が残りました。
読了日:07月01日 著者:多和田 葉子

2012年7月の読書メーターまとめ詳細
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