hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

4月の読書メーター

 4月の読了冊数は21冊でした。ここ数ヶ月に比べると減少傾向ですが、いやまあ。今月も20冊は読めるといいなあ。読めるかなあ。
2013年4月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:6152ページ
ナイス数:103ナイス

RDG2  レッドデータガール  はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)感想
前作から舞台は変わり、なんだか抹香臭い学園での学園生活。真響ちゃんはわりとかわいい。しかし、雪政は相変わらずウザキャラだなあ。/わりと中途半端なところで終わっている気がしますが、続きが気になるかと言われればそれほどでも……(ひどい)。
読了日:4月28日 著者:荻原 規子
プロ野球復興史 - マッカーサーから長嶋4三振まで (中公新書)プロ野球復興史 - マッカーサーから長嶋4三振まで (中公新書)感想
なかなか多くの資料にあたったと思われる、いい本だとはわかるのですが、ぼくの頭の出来があまりよろしくないために人名がたくさん出てきすぎてちょっと把握できなかったところはありました。この時期の選手だと本当に超有名クラスの人たちしか知らないというのも大きかったかもしれません。/しかし、昭和24年ごろの引き抜き合戦は只事ではないですね。まさしく混沌とした時代であります。
読了日:4月26日 著者:山室 寛之
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)感想
はじめてのカズオ・イシグロ。これはなかなか奇妙な読み口なお話でした。いわゆる「信頼できない語り手」ものと言えないこともないけれど、信頼できないと断言もできないような、複雑さ。作中でははっきりとは語られないことが最も雄弁に物事を語っているような感じもして面白かったです。
読了日:4月24日 著者:カズオ イシグロ
掏摸(スリ)掏摸(スリ)感想
『王国』と姉妹編の関係にあるクライム・ノヴェル系純文学。個人的には『王国』よりもこっちのほうが楽しめました。木崎の悪党としての存在感の大きさや、主人公が罪ということにより自覚的なあたりが好みなのかもしれません。
読了日:4月23日 著者:中村 文則
小太郎の左腕 (小学館文庫)小太郎の左腕 (小学館文庫)感想
久しぶりに和田竜を読みましたが、やっぱり読みやすくて面白いですー。半兵衛と喜兵衛の二人はいかにもザ・ブシドーという感じのキャラクターで、わかりやすい分魅力がストレートに出ているのかな、と思いました。
読了日:4月22日 著者:和田 竜
どんなに上手に隠れても (徳間文庫)どんなに上手に隠れても (徳間文庫)感想
岡嶋二人得意の誘拐もの。今作はそれにマスコミ・広告業界の権謀術数が混ざり込みなかなか厄介な事件になっておりますが、それをさらっと整理して差し出す手さばきはさすがに上手いです。
読了日:4月21日 著者:岡嶋 二人
傷痕傷痕感想
参考文献にもがっつり書いてあるので断言しても構わないと思いますが、マイケル・ジャクソンをモデルにした人物を多面的に描き出した一冊。あくまでも周辺の人物からの視点で描いているので、スキャンダルについてのあれやこれやも暗闇のまま、というのは堅実なところなのでしょう。舞台が日本なので世界的なスーパースターが日本人というどこか据わりの悪い感じになっているあたりも興味深かったです。しかし、読む前に想像していたよりもずっとポジティブな話でちょっと驚きました……。
読了日:4月19日 著者:桜庭 一樹
<時代の流れが図解でわかる>早わかり鎌倉・室町時代<時代の流れが図解でわかる>早わかり鎌倉・室町時代感想
なんとなく日本史のこのあたりの時代の知識が欠落している気がしたので(本当はもっと前の時代も欠落してますけど)読んでみました。「図解でわかる」のキャッチフレーズ通りにビジュアル的にわかりやすく作られていたように思えます。個人的には応仁の乱あたりの事情がよくわかっていないので、そこらへんをもうちょっと掘り下げてくれれば良かったのですが。/「臨済宗の開祖・道元」といったちょっとしたミス(栄西ですよね)も見られましたが、まあ許容範囲内ではないでしょうか。
読了日:4月19日 著者:河合 敦
星界の紋章〈3〉異郷への帰還 (ハヤカワ文庫JA)星界の紋章〈3〉異郷への帰還 (ハヤカワ文庫JA)感想
終わらせ方としてはきれいでしたが、物語の展開としてはまだ一区切りといった印象も同時に受けました。だからこそ続編が書かれているのですが。続編を読むかどうかはまだちょっと決めかねておりますが。
読了日:4月16日 著者:森岡 浩之
ダブルダウン (講談社文庫)ダブルダウン (講談社文庫)感想
なにやら失敗作らしい、という噂を聞いていたのでどんなものかな、と心配しましたが、テンポよくさらさらと読ませるリーダビリティの高さはさすが岡嶋二人作品。しかし、やっぱり前半の謎と後半の謎がうまく絡み合ってないように思えたりと、全体の出来としてはやはり多少落ちるかな、というのは否めません。読んでいる間は楽しく読めたのですが。
読了日:4月15日 著者:岡嶋 二人
王国王国感想
はじめての中村文則。硬質な筆致でなかなか面白かったです。作風的には阿部和重にちょっと似ているところもあるのかな。登場人物のほとんどがなんらかの虚無感やら不条理やらを抱えているような感覚が好みでした。姉妹編らしい『掏摸』も読んでみたいです。
読了日:4月13日 著者:中村 文則
暗くて静かでロックな娘暗くて静かでロックな娘感想
普段は露悪というものをあまり好まないのですが、露悪趣味な小説にはなぜか心が惹かれる自分がいます。そういう時にはやはり平山夢明作品に限りますね。ろくでない人たちの底辺な生活が死んだような目で生き生きと描かれております。しかし、ちょっとスラングを多用しすぎな気はしましたが、これがこの短篇集の特徴でもあるので、難しいところですね。
読了日:4月12日 著者:平山 夢明
ドアD (幻冬舎文庫)ドアD (幻冬舎文庫)感想
はじめての山田悠介。まあ予想通りというかなんというか……。文章はそれほどひどくないですし、B級感もそういう作風だと思えば問題ないと思うのですが、やはりあまりにも「ざっと書いた」感が強いのはどうにも……。(それほど大したものではない)ワンアイデアで書いたらこうなりました、という感じかなあ。人間関係の描き方が類型的すぎるのもつらい……。/解説の青山真治は微妙にネタバレのうえに「SAW」「CUBE」に変に噛み付いて、末に「私はオトナなので」とか書く子供っぽさ。つらい……。
読了日:4月11日 著者:山田 悠介
プロ野球「衝撃の昭和史」 (文春新書)プロ野球「衝撃の昭和史」 (文春新書)感想
世代的に昭和のプロ野球については知識があまりない(選手の名前とかでわかるのは1990年ごろからかしら)ので新鮮な気持ちで読めました。エピソードとしては既知のものでもこうして洗い直してくれると楽しく読めますね。 オリオンズ対ライオンズの激しい抗争の話が特に興味深かったです。「バスの車体の下に火をつけた新聞紙を投げ入れ始めた」ってすごいなあ……。完全に暴徒化しております。
読了日:4月11日 著者:二宮 清純
ペルセウス座流星群 (ファインダーズ古書店より) (創元SF文庫)ペルセウス座流星群 (ファインダーズ古書店より) (創元SF文庫)感想
創元SF文庫から出ておりますが、雰囲気としてはアメリカ文学のそれに非常に近しいな、という感じ。作者はカナダの方ですが、まあ北アメリカということで……。SF要素が強いのは終盤の2作くらいですね。全体的に暗いトーンでやりきれない話が多いのが好みでした。ある種のアメリカ文学が持っている不在感のようなものが、ぼくはなんともいえず好きなのです。
読了日:4月10日 著者:ロバート・チャールズ・ウィルスン
草祭 (新潮文庫)草祭 (新潮文庫)感想
さまざまな怪異の存在する町である美奥を舞台にした連作短編集。ホラーっぽい要素もありますが、基本的には幻想小説かな。登場人物への優しい視線の所為もあるのかも。人の生死もどこか穏やかで、広い意味での生命への畏敬の念を思わせます。
読了日:4月8日 著者:恒川 光太郎
星と月は天の穴 (講談社文芸文庫)星と月は天の穴 (講談社文芸文庫)感想
序盤、知り合って間もないヒロインがいきなり車の助手席でおもらしをするというたいへんキャッチーな(そうかなあ)小説。いかにも都会的な中年のずるさともの哀しさと優しさと。小品でありながら(200ページ弱の中編といっても良さそうな長さ)味わい深い小説でありました。
読了日:4月6日 著者:吉行 淳之介
無花果とムーン無花果とムーン感想
とある夏、生者と死者の物語。一気読みしたくらいですしかなり楽しんで読んだのですが、一時期の桜庭一樹だったらもっと血が流れるような筆致で書いていたのかもしれないなあ、とは思いました。この作品の場合は流れるのは涙、でしょうか(ぼくは本を読んで泣くことがない人間ですが)。
読了日:4月5日 著者:桜庭 一樹
シシリアン・オデッセイ―地中海の十字路、眩惑の島 (ナショナルジオグラフィック・ディレクションズ)シシリアン・オデッセイ―地中海の十字路、眩惑の島 (ナショナルジオグラフィック・ディレクションズ)感想
シチリア島について歴史や神話の挿話を挟みつつ、シチリアの現在も同時に描いていきます。正直シチリアといってもマフィアがいる島という認識しかなかったのですが、なかなか楽しめました。しかし、ガイド的な視線ではないのであまり「ああ、これでシチリアのことがずいぶんとわかったなあ」という感じでもなかったです。たぶんシチリアの一部が少しは理解できたかな、という実感。/しかし、この苦笑するしかない巻末エッセイは……。
読了日:4月4日 著者:フランシーン プローズ
星界の紋章〈2〉ささやかな戦い (ハヤカワ文庫JA)星界の紋章〈2〉ささやかな戦い (ハヤカワ文庫JA)感想
囚われの身から脱して、とある星に降り立ち追われる身に。あとがきでは地味と書かれていますがけっこう動きがあって楽しかったです。/生と死や戦争といった状況での倫理観を問われる場面が多かった気がしました。平常がライトな筆致なのでなおさら考えこんでしまいます。
読了日:4月3日 著者:森岡 浩之
ルドヴィカがいるルドヴィカがいる感想
いささか感情移入しづらい男の一人称(しかも職業は作家であり、かなりリスキーであります)で、物語もどこに向かうか予想しにくいもので、なかなか感想が書くのが難しい小説ですが、やはりこの不可思議な読み心地は得がたいものがあります。終盤の展開もかなり不思議でした。自分の身体の分だけきれいにえぐられた落とし穴に嵌ったような感覚。
読了日:4月2日 著者:平山 瑞穂

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