日日日「ちーちゃんは悠久の向こう」

ちーちゃんは悠久の向こう (新風舎文庫)

　あー、面白かったことがなんだか悔しい。何だか「これは泣けるエロゲーだよ」とか言って渡されたエロゲーにほんとに泣いてしまう気持ちというか、何というか。
　西尾維新の某作に似てるだとか、文章がまだまだ若いとか文句を言おうと思えば言えるけど、面白かったんだよなあ、全く。そういえば、着地点が見えてるのに感情を揺さぶられてしまうのは桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」にも通ずるところがありますね。
　文章も若いって書いたけど「私の優しくない先輩」のセンスを無意味に誇示する見苦しい文章に比べてずいぶん良かった、むしろこの文章なら平易で読みやすくレベルは低くない。

　久美沙織の解説は全然腑に落ちなかった。こんな一面的なものの見方をする人とは思ってなかったのでちょっと幻滅してしまった。

　個人的に「武藤白」という名前のキャラが出てきたことにショックを受けた。かぶった！と思った。