hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

ドナルド・E. ウェストレイク「鉤」

鉤 (文春文庫)

鉤 (文春文庫)

「斧」と同じくこちらもそれほど大きな展開が無いにもかかわらずとても読ませますね。
 殺人を依頼した売れっ子作家ブライスと、殺人を遂行した行き詰まった中堅作家ウェインの殺人後の精神的な対比が興味深いですね。
 命令者と実行者の責任の所在はどちらにあるのか、とも読めると思います。それを突き詰めれば戦争における政府と兵士の関係にも換言できそうですが、それはちょっと深読みしすぎですよね、多分。今思いついただけなので勘弁してください。
 まあ、一番悪辣なのは第三者であるスーザンですよね。