hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

アンソロジー「Sweet Blue Age」

Sweet Blue Age

Sweet Blue Age

 粒ぞろいの作品集で面白かったです。が、最後の森見登美彦のパワーで他の作品が霞んでしまった感もあります。
 それでは個別に感想を。
 角田光代「あの八月の」角田光代は初読み。手堅くまとまっていました。本の最初にふさわしいです。
 有川浩「クジラの彼」えーと、ネタバレには当たらないと思うので書きますが「海の底」の外伝的なお話。夏冬は好きじゃないので……。
 日向蓬「涙の匂い」この人も初読み。いいんじゃないでしょうか。なんとなく森絵都に近いかな。全然違うか。
 三羽省吾ニートニートニート」初読み。タイトルで期待したのに、完全に期待外れ。だってこいつらニートというよりただのDQNだからなあ。
 坂木司「ホテルジューシー」またまた初読み。「ひきこもり探偵」とかいうシリーズの人ということで、これはダメかな……とか思ってたら存外面白かった。ユーモアのセンスも悪くないし。機会があったら他の本も読んでみようかな。
 桜庭一樹「辻斬りのように」ああ、違う!この本のなかでも言語センスが際立ってる!普通の作家だったら嫌悪感を引き起こしそうなテーマをぐいぐい読ませるのは流石。言葉の力を感じます。
 森見登美彦夜は短し歩けよ乙女」これは素晴らしい。今年読んだ短編でもベストクラスです。桜庭一樹とはベクトルは違いますが、やはり言語センスにやられました。「酒と涙と男と男」はあまりにも泣ける名フレーズ。そもそもタイトルからして一味違う、というオーラを発散しております。とにかく楽しすぎる。