hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

島田荘司(編)「21世紀本格」

21世紀本格―書下ろしアンソロジー (カッパ・ノベルス)

21世紀本格―書下ろしアンソロジー (カッパ・ノベルス)

デカルトの密室」の前にこっちを先に読んでおいた方がいいのかな、という理由で読みました。島田荘司の言わんとするテーマは正直言ってよくわからないけれど、アンソロジーとしてはなかなか力作揃いで良かったと思います。
 ベストは瀬名秀明「メンツェルのチェスプレイヤー」。ワーストは松尾詩郎「原子を裁く核酸」です(小声で)。
 
 響堂新「神の手」沈鬱な雰囲気が良かったです。このアンソロジーの最初を飾る作品としてぴったり。
 島田荘司ヘルター・スケルター」面白いなあ、と思える部分はありましたが、サプライズ中心の短編としては弱め。
 瀬名秀明「メンツェルのチェスプレイヤー」サスペンスフルでいて、考えさせられる作品。力作。
 柄刀一百匹めの猿」どういう狙いでこんな解決シーンにしたのかがよくわかりませんでした。それ以外は○。
 氷川透AUジョー」非情な丁寧な論理には好感が持てました。残念ながらアクロバットには至らず、残念。
 松尾詩朗「原子を裁く核酸」ダメダメだー。
 麻耶雄嵩「交換殺人」やっぱりこのラストは良い味です。
 森博嗣トロイの木馬」おお、森博嗣にしては珍しく(失礼)気合入れて書いてます。多分。流して書いたような印象がないです。面白かったです。