(編)紀田順一郎「書物愛 日本編」
- 作者: 紀田順一郎
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2005/05/10
- メディア: 単行本
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気になった作品は、まず再読の夢野久作「悪魔祈祷書」。久しぶりに読むと文章がノリノリなのがわかって楽しいです。
初めて読む作家さんである島木健作の「煙」は本の市によって自分のダメさを実感するダメ人間小説。古い作品ですが読みやすかったのも好印象。
またもや再読の野呂邦暢「本盗人」は連作短編からの抜粋なので、単体では少々わかりにくいかな、とも思いましたが、やはりすごくすごく素晴らしいです。他のも読まないと……。
最後は編者本人の作品である「展覧会の客」。古本に対するコレクターの執着心をおそろしく描いています。こわい。
読み終わってから知ったのですが、紀田順一郎って「日本怪奇小説傑作集」の人だったのですね。あれも面白そうな本なのでぜひとも読みたいと思います。