遠藤徹「姉飼」

姉飼 (角川ホラー文庫)

　ひとことで表現するなら、あんまり小説が上手くない小林泰三みたいな感じでしょうか。「家に棲むもの」に近い味わいのジャンクホラーといった感じでしょうか。
　小林泰三はかなり計算して気持ち悪さを作り出す作家だと思いますが、こちらはあんまり深く考えずに思いついたままにダイレクトに書かれている印象。おそらく相当に気持ち悪い脳なのでしょう。*1特に表題作における「脂神輿」「蚊吸豚」のディティールが素晴らしいです。悪趣味の塊のようです。ちなみに他の3編も違った気持ち悪さがありますので、そういうものが好きな人なら楽しめると思います。

*1:ひどい言い方ですね