hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

古処誠二「七月七日」

七月七日

七月七日

 古処誠二を読むのは「分岐点」以来で結構久しぶりだったのですが、実に素晴らしかったです。考えてみれば地味ながらも外れの無い作家さんであります。一作一作に意気込みを感じます。
 今作も第2次大戦を舞台にしているのですが、両親は日本人で、移住してアメリカ国籍を持つ日系二世という独自の視点で描いているため、今までとの類似性は感じさせません。
 純粋な日本人でもアメリカ人でも無いが故にどちらの立場にも完全に与し切れずに悩み続ける主人公ショーティの姿は胸を打ちます。
 本当に素晴らしかった。