hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

アンソロジー「密室と奇跡」

 ジョン・ディクスン・カー生誕100周年のアンソロジー。気合の入った作品が多く、カー愛されてるなあ、と思いました。ぼくはほとんどカーを読んでないのですが、それでもほとんど問題なく楽しむことができました。
 以下、個別感想。長いです。
 芦辺拓「ジョン・ディクスン・カー氏、ギデオン・フェル博士に出会う」はじめての芦辺拓。冒頭を飾るに相応しい力作でした。
 桜庭一樹「少年バンコラン! 夜歩く犬」面白いけど桜庭一樹の作品としては少々物足りないかなあ。きゃー!
 田中啓文忠臣蔵の密室」個人的にこの短編集でベストだったかも。こんなタイトルできっちり本格できっちり密室できっちりカーですよ。素晴らしい。
 加賀美雅之「鉄路に消えた断頭吏」オチの意味が分からなかったので調べてみたら、うーん。余程好きなのは分かるのだけれど。
 小林泰三「ロイス殺し」あう、これは元ネタを知らなかったからちょっと分からなかったです。面白かったですけどね。小林泰三らしくて。
 鳥飼否宇「幽霊トンネルの怪」なかなか。でもどこがカーなんだか……。ある意味田中啓文よりも強引なのでは。
 柄刀一「ジョン・D・カーの最終定理」ごめんなさい。さっぱり意味が分かりませんでした。お手上げです。
 二階堂黎人「亡霊館の殺人」うーむ……。正直言って面白くなかったです。作者の人格が現れたラストでしたね。