hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

絲山秋子「袋小路の男」

 三篇を収録した短編集。
「袋小路の男」
 痛い。
 偏執的な女とダメ男の恋愛話。こんなに痛い小説は今まで無かったかも。
「小田切孝の言い分」
 表題作の続き。
 もう相変わらず痛さが半端じゃない。小田切の一人称によりさらに双方の痛さが浮かび上がってくる。ラストも最高の痛さ。
「アーリオ・オーリオ」
 一転して真っ当ないい話。

 しかし最初の二篇は痛い人間の恋愛関係を書こうとした物にしか思えないんだけど、これを純愛だとかそうでないとか言うのとは違うと思う。amazonを見てそう思いました。

…貶しているような感想だけど、「痛い人間関係」を書ききった小説として非常に面白かったと思いました。本当に。