hirayama46の日記

とりとめもなく書いています。

11月の読書メーター

 11月に読んだ冊数は16冊でした。先月と変わらず少なめですが、察してください(謎)。
2012年11月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:4205ページ
ナイス数:101ナイス

回転木馬のデッド・ヒート回転木馬のデッド・ヒート感想
再読ー。これは3回目か4回目くらいかな。/さすがに「はじめに」も副てた創作物だと見るのが自然だと思うけど、それはどちらでもよいのかもしれません。読者それぞれの思うままで。/しかし、「山火事のように無料」というのはすごい表現だなあ、と感嘆します。ちょっと普通では考えつかないフレーズですよね。
読了日:11月28日 著者:村上 春樹
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)感想
全体としては面白かったですが、ちらっと出てくる本にアンナ・カヴァンを出してくるところとか「ほら、こういうの、お好きでしょう?」と言われているようでなんだか小癪でありました。まあ、ぼくの心が狭いだけなのですが……。青木文庫とか。/あと、主人公が本を一切読めないという設定は少し強引なのでは。/続きを読むかは微妙なところかなあ……。
読了日:11月25日 著者:三上 延
振り子で言葉を探るように振り子で言葉を探るように感想
なかなか分厚い書評本で、扱っている分野も多岐に渡りますが、堀江敏幸の本への真摯な姿勢は一貫しています。自分ももう少し本・読書に対して誠実でありたいものだなあ、との思いを新たにしました。たくさんのものを読みつつも、ひとつひとつを決して軽視しない読書を心がけたいです。
読了日:11月25日 著者:堀江 敏幸
カラーひよことコーヒー豆 (小学館文庫)カラーひよことコーヒー豆 (小学館文庫)感想
わりとちょっとしたことが書かれている、派手派手しくない落ち着いた雰囲気のエッセイ集。プロフェッショナルだけが出せる非世俗的な感覚というのは小川洋子作品でしばしば見られますがエッセイでもその辺がすこし書かれていて興味深かったです。小川洋子は文章のプロフェッショナルなのにエッセイは世俗的なところが面白いですね。
読了日:11月23日 著者:小川 洋子
ねえ、委員長ねえ、委員長感想
はじめての市川拓司。青春! 恋愛! 希望! という感じで、ぼくはわりにこういう甘酸っぱさが好物なので良かったです。さらりと読みやすいのも好印象でした。市川拓司はほかの本も読んでみよう。「your song」のラストなんかはできすぎな感じもしますが、それがまた良いのです。
読了日:11月21日 著者:市川 拓司
顔 FACE顔 FACE感想
男社会である警察機関のなかで婦警として生きるとはどういうことなのか、を描いた連作短編集。基本的には横山秀夫は「男の世界」の書き手というイメージがあったので少々意外でした。でも、やっぱり男視点で見た女性観という気がしなくもないかな。相変わらずどの短編も読みやすくて読ませるのですが、ちょっと物足りない部分もありました。お気に入りは銀行での防犯訓練中に別の銀行で本物の強盗事件が起こる「共犯者」かな。
読了日:11月19日 著者:横山 秀夫
堪忍箱 (新潮文庫)堪忍箱 (新潮文庫)感想
人の心の暗部を描いたものが多いですが、いい話なんかも紛れているので油断はできません。1編1編はやや薄味な印象を受けましたが、全部読み終えてみるとやっぱり宮部みゆきの味がよく出ていて、その辺の匙加減はやはり上手いなあ、と思いました。お気に入りは用心棒さんが渋い「敵持ち」。
読了日:11月16日 著者:宮部 みゆき
シーナとショージの発奮忘食対談 (文春文庫)シーナとショージの発奮忘食対談 (文春文庫)感想
椎名誠東海林さだおの主に食べ物に関する対談。たまにCMとか老いについてとかが入ってしみじみしたりします。81年から96年までかなり広い年代の対談が収録されておりますが、二人ともブレないなあ、といった印象。キャラが確立しているというか。ちなみに、基本的に椎名誠がボケで東海林さだおがツッコミです。/椎名誠の本屋の話における「こっちに裸のオネエちゃんがいて、あっちに古書店があったら、先に古書店に入るね、僕は。」というのはなかなかに至言。ぼくもそう思います。
読了日:11月15日 著者:東海林 さだお,椎名 誠
TVピープル (文春文庫)TVピープル (文春文庫)感想
何度も読んでいるはずなのに表題作と単行本になった「眠り」以外はあまり記憶にありませんでした。なぜだろう……。「我らの時代のフォークロア ――高度資本主義社会前史」なんかはこうやって再読してみるといかにも中期村上春樹のコミュニケーション観のようなものほのみえて面白かったのですが/個人的には唐突で理不尽な暴力、という共通のモチーフがある「眠り」「加納クレタ」が好きです。表題作も間接的ではありますけど暴力的ですよね。
読了日:11月14日 著者:村上 春樹
クエーサーと13番目の柱クエーサーと13番目の柱感想
アイドルを監視する人たちの物語。遠景で撮ったカメラワークのようなどこか突き放した視線を感じました。ぶつぎられたようなラストがどこか切なかったです。「運命の引き寄せ」なるものに操られてしまった人に対しても過度にマイナスのイメージを語らない、どこか放置しているような感覚が印象的。要素の逆転は阿部和重的だなあ、と思いました。自分でも何を書いているのかよくわからない感想になってきたのでこの辺で。
読了日:11月12日 著者:阿部 和重
終の住処終の住処感想
正直言ってよくわからなかったので、ここの感想でも「よくわからない」という人が多くて少し安心。これが芥川賞なのかー。あるいは年をとったおじいさんには楽しめる作風なのかもしれません。/個人的には「運命論に翻弄されつづけた男が運命論に飲み込まれてしまう話」として読みました。/それにしても、ずいぶんな電波文を送ってよこす会社である。
読了日:11月10日 著者:磯崎 憲一郎
村上春樹 雑文集村上春樹 雑文集感想
初読みー。それなりに分厚い本でしたがなんだかんだで一気に読んでしまいました。題名どおりに雑文集なのでファン・アイテムとしての色彩が強いですが、どの文章からも村上春樹のスタイルのようなものは一貫してあるので、良いファン・アイテムではないでしょうか。/個人的には「夜のくもざる」の単行本未収録作品が読めたのが嬉しかったです。でも、2作だけだからまだ眠っているのですよね、たしか(あとがきで6編か7編削ったとかいてあった)。/巻末の安西水丸和田誠の対談はなんだか微笑ましく、これが水丸氏のテクかと思いました……。
読了日:11月8日 著者:村上 春樹
消失グラデーション消失グラデーション感想
道中はデザートに載っているマンガ(そんなに読んでいるわけではないのですが)みたいな展開とキャラクターにうへえ、となりながら読んでおりましたが、待っていたのは驚天動地……と呼ぶにはちょっと足りない既視感のあるオチでちょっと不満が残ったかな。正直言ってそれほど驚けなかったです。審査員のコメントもあってなにか仕掛けがあることはバレバレだったわけですし。
読了日:11月7日 著者:長沢 樹
ひっひっ感想
タイトルにもなっている「ひっ」さんにどれだけ魅力を感じられるか、というのはこの小説を味わうにあたってけっこう大きいポイントなのかな、と思いました。個人的にはそれなりに気にかかる部分もありつつも楽しめました。/ちょっと気になったのは意識して書いているかはわかりませんが、昭和のダメ人間と平成のダメ人間は違うもので「昔は良かった」になっている部分があると感じられました。ぼくが穿ち過ぎているだけなのかなあ。
読了日:11月6日 著者:戌井 昭人
路上の視野〈1〉紙のライオン (文春文庫)路上の視野〈1〉紙のライオン (文春文庫)感想
前半がニュージャーナリズムやノンフィクションに対する方法論のようなものが中心の「*方法」、後半はそれぞれの時代の空気を存分に盛り込んだ「*時代」という構成。書かれたのあは0年代後半が中心なので、どうしてもニュージャーナリズムの隆興も、時代の空気感もわからなくて、ぼくの読者としての若さ(そんなに若くもないけど)がひびいてしまうなあ、という印象。/今でも活動していてかなりファンである井上陽水の話が興味深く読めました。今でこそそれなりに「渋い」存在になりつつあるけど、当時は大ヒットメーカーだったのだなあ、と。
読了日:11月5日 著者:沢木 耕太郎
笑う月 (新潮文庫)笑う月 (新潮文庫)感想
前半は安部公房作品の成り立ちにも関するエッセイ、後半は夢のスケッチのような文章になっております。前半も興味深い話が多くてよかったですが、個人的に他人の夢の話が好き(自分で夢をみるのは好きではないのです。悪夢が多いから)なので後半が特に楽しめました。「自己犠牲」が特によかったかな。
読了日:11月2日 著者:安部 公房

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